いつか白馬の王子様が現れると信じて待ち続けること30年余り。
アラサーの私が出会ったのは、白馬の王子様——ではなく、なんと白馬のほうだったのです。
うそでしょ? そっちなの?
アレッ……でも、もしかして……馬って意外にカッコイイかも!?
これは競馬のケの字も知らなかった私が、白馬(葦毛)の馬主になるまでの実録ドキュメントです。
前回までのあらすじ
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【白馬が王子様1】こんなの初めて!サラブレッドとの出会い
いつか白馬の王子様が現れると信じて待ち続けること30年余り。王族が生息していそうなパーティー、会合、舞踏会はおろか、地元の同窓会さえろくすっぽ出席せずに三十路を迎えた私のもとに、まさか白馬の蹄音が聴こ ...
誘導馬の手触りとあたたかさに感動して、すっかり馬に心奪われた私。
食フェスへの渇望はどこへやら、なぜ自分が競馬場にいるのかという疑問さえ忘れて、愛らしい鼻先を撫で続けていました。
そういえば、このお馬さんは誘導馬だって言ってたけど……そもそも「誘導馬」っていったいなんなの? これまでの暮らしの中でも聞いたことのない言葉だぞ?
賢いセンパイ!「誘導馬」ってなに?
パドックとか馬場とか、馬たちが移動しなきゃならないときに
みんなの先頭と最後尾を歩いて、「こっちだよー」って案内してくれる馬のことだね。
パドック?
馬場(ばば)?
大変です。とってもわかりやすい説明を受けているはずなのに、さっそくわからない用語が出てきました。我ながら、さすがのド素人っぷりです。ワタシ、ケイバ、ワカラナイ。
とはいえ、誘導馬についてはなんとなく理解できました。
つまり、修学旅行の班長みたいな感じのお馬さんなんでしょう。
聞けば、この誘導馬。
過去に活躍した先輩サラブレッドの中でも、温和で賢い馬が選ばれることが多いとのこと。あとは毛色がきれいで見栄えのする馬や、知名度のある優勝馬なんかが選ばれたりするんだとか。
なるほど! 道理でこんなにきゅんと来るわけだわ。
さっきまでは完全アウェイだったけど、ちょっとずつ競馬場に親しみがわいてきたぞ。
座席バイキングは座り放題?
誘導馬とのふれあいタイムも終わったので、いったん座席を確保しておくことに。
それにしても、この会場、あんまりにも広すぎませんかね。私の知る大規模祭典、夏コミ会場でさえ太刀打ちできないくらいの大きさです。
見渡す限り座席、座席、スタンド、座席。上のほうにはガラス張りの席まで見えて、その上までやっぱり座席。これだけ椅子があったら、座れない人なんていないんじゃないかしら。それくらいの敷き詰めっぷりです。ホスピタリティ精神を感じるし、スケール感がすごい。
ちょっと気になって調べてみたら、東京競馬場の敷地面積は622,635平方メートルとのこと。東京ドームにすると94個分に相当するというから驚きです。
なんなら日によっちゃ、立ち見さえ満足に入れないかもね。
えっ……。
この数が……埋まるの?
音楽ライブでも、コミケでも、それこそ食フェスでもじゅうぶん過ぎる規模のはずなのに……。
もしかして――競馬って、思ってた以上にすごいのかも?
まとめ:それでも椅子は足りなくなる
東京ドーム94個分という言葉に、なんとなくわかったような気分を得たド素人OL。
次回はまず、腹ごしらえからスタート! 東京競馬場の名物スイーツをレポートします。